「福祉専門職者に必要な倫理と能力についてまとめ、自分なりの見解を述べよ。」
10年ほど前までは、社会的な役割は大きいものの、人気があるとは言えなかった福祉専門職だが、最近では、社会福祉施設の職員募集の競争率が高くなってきている。
人々が、社会福祉専門職に注目する最も大きな理由に、高齢者の急増と少子化が挙げられる。高齢者福祉の充実、ノーマライゼーションの視点に立った障害者福祉の充実、子どもの保育など、大きな課題が残されている。今後の日本社会において、福祉サービスは多様化し高度化する一方にある。この社会背景で、社会福祉専門職に必要な倫理や能力について考察していく。
社会福祉専門職には、次のようなものが挙げられる。まず、施設利用者に直接サービスを提供する専門職には、介護職員、ホームヘルパー、保育士がある。
介護職員は、老人福祉施設や障害者施設などに勤務し、ホームヘルパーは、在宅の高齢者や障害者の介護や家事を行う。
保育士は、保育所や児童養護施設などの児童施設で子ども達の基本的な援助を行う。
次に、利用者の相談援助、精神的支援を行う専門職には、医療ソーシャルワーカー(MSW)、精神ソーシャルワーカー(PSW)を含むソーシャルワーカーがある。
社会福祉士の仕事としてのソーシャルワーカーは、相談機関や施設で相談・調整業務を行う。医療ソーシャルワーカーは、保健・医療機関で、患者やその家族が抱える問題の相談援助業務を行う。精神ソーシャルワーカーは、精神病院や精神保健福祉センターなどで、精神障害者やその家族の相談援助業務を行う。
このほか、福祉の仕事で忘れてはならないのが、社会福祉協議会の職員である。地域の総合的な社会福祉の充実を図ることを目的とした機関であるから、地域住民の相談援助業務、広報誌の作成、在宅福祉サービスの実施など、その業務は多岐にわたる。社会福祉全体をコーディネートする職種と言える。
社会福祉援助活動は、障害者や要介護者など援助を必要としている人を、取り巻く環境
との関係上において生じる問題を、克服できない場合に必要となるわけである。
ソーシャルワーカーの一連の援助過程は、問題発見、アセスメント、援助目標の設定と計画の作成、援助の実施、モニタリングである。援助対象者が自ら抱えている問題を自覚し、その問題を解決していかなければいけないことを認識し、問題の解決に向けて自らが取り組んでいくことを理解し、実際に問題を解決するという過程である。このように、援助対象者が援助過程に参加することで、問題解決への意欲も高まり、効果的で機能的な援助活動ができるのだ。
また、援助対象者の内心に問題がある場合は、心理カウンセラーなど心をケアする専門職者との関りが必要となり、援助対象者を取り巻く生活環境に問題がある場合には、国や地域や施設などのような、社会との関りが必要になってくる。社会福祉援助活動は、その両者に関ることにより、独自の専門領域を形成する。
これらのサービスを提供するうえでの専門職者としての価値観、身につけた専門知識と技術、この総体が社会福祉の専門性であると言える。
社会福祉専門職が、対象者を援助するに当たっての価値観として挙げられるのは、人間らしい生活を営めること、個人が大切にされていること、誰もが地域で暮らせること、社会的に平等に扱われること、自己実現できることである。このように、一人の人間としても、社会からも認められ、自分らしい生活の確保である。
社会福祉専門職が援助活動の上で必要とする知識として挙げられるのは、利用者とその問題を理解するための知
「福祉専門職者に必要な倫理と能力についてまとめ、自分なりの見解を述べよ。」
10年ほど前までは、社会的な役割は大きいものの、人気があるとは言えなかった福祉専門職だが、最近では、社会福祉施設の職員募集の競争率が高くなってきている。
人々が、社会福祉専門職に注目する最も大きな理由に、高齢者の急増と少子化が挙げられる。高齢者福祉の充実、ノーマライゼーションの視点に立った障害者福祉の充実、子どもの保育など、大きな課題が残されている。今後の日本社会において、福祉サービスは多様化し高度化する一方にある。この社会背景で、社会福祉専門職に必要な倫理や能力について考察していく。
社会福祉専門職には、次のようなものが挙げられる。まず、施設利用者に直接サービスを提供する専門職には、介護職員、ホームヘルパー、保育士がある。
介護職員は、老人福祉施設や障害者施設などに勤務し、ホームヘルパーは、在宅の高齢者や障害者の介護や家事を行う。
保育士は、保育所や児童養護施設などの児童施設で子ども達の基本的な援助を行う。
次に、利用者の相談援助、精神的支援を行う専門職には、医療ソーシャルワーカー(MSW)、精神ソーシャ...