2008年に提出した中央大学通信教育課程の課題レポートです。 評価は4での合格レポートです。 もし参考になりましたらどうぞ☆
≪課題≫
江戸幕府の司法制度について述べよ。
日本法制史
≪課題≫
江戸幕府の司法制度について述べよ。
江戸幕府の司法制度は、幕府による中央集権的支配と、大名や旗本等による、文献的支配の統合の上に成り立ったものである。ここで、司法制度について考えるにあたり、幕府の裁判権や管轄、司法体系や吟味筋・出入筋の手続きから検討する。
藩法や庶民間による自治的法
そもそも、江戸時代は複合国家であったことから、幕府法や藩法、村法といった法により規律されていた。よって、原則的には幕府による裁判権(幕府法)を基本とするが、幕府法に抵触しない限りで、大名などによる藩法や庶民間による自治的法(村法)が法として認められていた。ただ実際のところ、幕府は村等の隅々にまで眼を配ることは困難であり、一方庶民にとっても、村法によって処罰した方が体制も費用的にも負担が少なかった。その為、幕府の司法制度では藩や村の実生活に即して、幕府法に従わずともよく、ある程度は各々の自治に委ねる方針をとったのである。
このことから、江戸時代の刑罰権(裁判権)において考える。江戸時代では原則として幕府による公権力が裁判権を掌握した。だが、上記事由から一部ではそれ以外に私的...