連関資料 :: 科学技術史

資料:2件

  • 科学技術レポート
  • (1)古代ギリシア哲学の背景  古代ギリシア時代の哲学という言葉は、自然現象を自然の自己運動として把握し、神話的説明から脱却した、という意味で、現代で言うなら「学問一般」ととらえることができる。よって現代なら数学や科学という分野もこの時代では「哲学」に入っている。以下、古代ギリシア科学のことを古代ギリシア哲学として表記していく。 ギリシア哲学は古代ギリシアに発生し、またこれを継承した古代ローマをもふくむ。古代のギリシアもローマも奴隷制社会であり、そこに成立した哲学は前76世紀から、アテネの新プラトン派の学校閉鎖が命じられた6世紀はじめまで、およそ千年余りにわたる。政治的にはギリシアは都市国家(ポリス)を形成していたが、奴隷制生産様式の発生・発展の時期の前86世紀には植民活動がさかんで、東方では小アジア西海岸(イオニア地方)に商工業を発展させた諸都市をつくり、西方ではイタリア南部、シチリア島に植民し、主として農業生産を開発した。  ギリシア哲学はまず、世界の根本物質はなにかという探究にはじまり、これは一般に自然哲学とよばれる。それは東方イオニアの諸都市にあらわれ、そのうちミレトスのタレスそのほかの哲学者らによるミレトス派が最初である(前76世紀)もともとこの地方はバビロニアやエジプトなど、その当時の先進国からの科学的知識、宇宙論・歴法・幾何学などが伝えられており、神話や宗教から科学・哲学への移り行きを準備していた。  タレスは古代ギリシア哲学の祖として知られている。先に述べたように、当時あらゆる自然現象は神話により説明されていた。世界は神や精霊によって動かされている、というのである。例えば、太陽が動いているのは太陽神アポロンが毎日走っているから、などという説明がまかり通っていた。そのような時代の常識を覆すかのように、神を用いずに世界を合理的に観察し新たな目でとらえようとしたタレスの考え方は、斬新で奇怪なものだったであろう。
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