雌の繁殖障害
卵巣の疾患
卵胞発育障害 定義 症状・診断 治療 卵巣発育不全 性成熟に達すべき時期を過ぎても発情
を示さない 直検:小さく硬い、卵胞・黄体なし GTH、GnRH、
PMSG、hCG 卵巣静止 性成熟の時期を過ぎた未産畜、分娩後の生理的卵巣休止期を過ぎた経産畜において無発情 直検:形状はほぼ正常(弾力あり)、卵胞は閉鎖退行を繰返す(卵胞発育×or排卵×) 卵巣萎縮 まだ老齢にならない経産畜で、無発情 直検:卵巣萎縮、硬結、卵胞・黄体× 排卵障害 定義 症状・診断 治療 排卵遅延 原因 LHサージの遅延
排卵するが、排卵までに時間を要する
牛:発情終了後24時間以降に排卵
馬:発情終了後に排卵 卵胞発育○、発情○ hCG、GnRH、
APG(下垂体前葉性
性腺刺激ホルモン) 無排卵 原因 LHサージの欠如、不足
排卵に至らず、閉鎖退行する 卵胞発育○、発情○(無排卵発情) 卵巣嚢腫 定義 症状・診断 治療 卵胞嚢腫 原因 FSH分泌過剰、LH分泌低下
卵胞の質が変性したもの
思牡狂型:顆粒層肥厚 ⇒ 多量のE
無発情型:顆粒層欠如 ⇒ E× 排卵×、卵胞2.5cm以上、
発情◎(思牡狂型)・×(無発情型)
プロジェステロン:1ng/ml以下が続く 黄体形成
hCG、APG、
GnRH類縁物質、
プロジェステロン製剤 黄体嚢腫 排卵せず、壁が黄体化したもの
中心部の腔に内容液を貯留 排卵×、卵胞2.5cm以上、
発情×、P:1~3ng/ml 黄体退行
PGF2α 黄体形成不全 定義 症状・診断 治療 発育不全黄体 発育が悪く、P分泌能が不十分な黄体
静止卵巣の自然治癒後、生後初めて、分娩後初めての排卵後の黄体(生理的)以外 排卵○ hCG 嚢腫様黄体 中心部の内容液が消失せず、中心腔が著しく大きく、周囲の黄体組織の層が薄い 排卵○
直検:大きく、波動感、内部に液 その他 定義 症状・診断 治療 鈍性発情 黄体退行、卵胞発育に伴い、外部発情徴候が明瞭に発現しない(卵巣は正常)
牛:3回目以降の排卵時に鈍性発情 ⇒ 病的
*分娩後40日以前の鈍性発情は生理的 卵胞発育○、排卵○(無発情排卵)、
黄体形成○ 黄体期にPGF2α 黄体遺残 妊娠していないのに黄体が存続、機能発揮 発情×、旺盛なP分泌 PGF2α リピートブリーダー 発情周期が正常にも関わらず、繁殖機能の正常な雄畜によって反復(牛:3回以上)して交配しても受胎しない雌畜 発情○、排卵○
子宮の疾患
疾患名 定義 症状・診断 治療 粘液子宮
(子宮粘液症) 子宮壁が薄くなり、子宮粘膜に嚢胞変性
子宮腔に水様(子宮水症:水子宮)から粘稠(粘液子宮)な液体が貯留した状態 黄体遺残を併発 ⇒ 発情×
治療により治癒するが、受胎は無理 黄体遺残:PGF2α
卵胞嚢腫:hCG、GnRH 子宮蓄膿症 子宮に膿または膿瘍滲出物が貯留する状態。牛・犬に多発
原因 化膿性子宮内膜炎、死亡した胚・胎子の停滞、トリコモナス感染 黄体遺残 ⇒ 発情×
膣検査:妊娠のような所見
牛:全身症状なし
犬:食欲不振、多飲多尿、嘔吐、白血球↑、(BUN↑) 牛:PGF2α、エストロジェン
子宮洗浄、抗生物質
犬:卵巣子宮全摘出術
内科的 → PGF2α 子宮内膜炎 子宮内膜の炎症
不妊の主要な原因(精子運動を妨げる、
着床を阻害、早期胚死滅、流産など)
子宮疾患の中で最も多い
*日和見感染が重視されている
牛 分泌性が多い、馬 潜在性が多い 膣検査:滲出性 → 外子宮口
から滲出液の
雌の繁殖障害
卵巣の疾患
卵胞発育障害 定義 症状・診断 治療 卵巣発育不全 性成熟に達すべき時期を過ぎても発情
を示さない 直検:小さく硬い、卵胞・黄体なし GTH、GnRH、
PMSG、hCG 卵巣静止 性成熟の時期を過ぎた未産畜、分娩後の生理的卵巣休止期を過ぎた経産畜において無発情 直検:形状はほぼ正常(弾力あり)、卵胞は閉鎖退行を繰返す(卵胞発育×or排卵×) 卵巣萎縮 まだ老齢にならない経産畜で、無発情 直検:卵巣萎縮、硬結、卵胞・黄体× 排卵障害 定義 症状・診断 治療 排卵遅延 原因 LHサージの遅延
排卵するが、排卵までに時間を要する
牛:発情終了後24時間以降に排卵
馬:発情終了後に排卵 卵胞発育○、発情○ hCG、GnRH、
APG(下垂体前葉性
性腺刺激ホルモン) 無排卵 原因 LHサージの欠如、不足
排卵に至らず、閉鎖退行する 卵胞発育○、発情○(無排卵発情) 卵巣嚢腫 定義 症状・診断 治療 卵胞嚢腫 原因 FSH分泌過剰、LH分泌低下
卵胞の質が変性したもの
思牡狂型:顆粒層肥厚 ⇒ 多量のE
無発情型:顆粒層欠如 ⇒ E× 排卵×、卵胞2.5cm以上、...