今日子どもたちを取り巻く環境や社会状況がめまぐるしく変化し、多様化していく中で、地域社会とのつながりが希薄化してきている現状がある。社会が変わればそれに応じて社会科も変わる。社会科が変われば教材も変わるというように、これからは学校や地域の特色を生かした教育活動を主体的に進めていくことが期待されている。つまり、地域に密着した社会科が求められているため、地域教材の開発は、その実現にとって欠かせない重要な柱であり、極めて重要な課題であるといえる。このような意味からも地域の豊かな学習素材を今まで以上に有効に活用していく必要がある。そこで地域素材の教材化がもつ意義についていくつかの見出しに基づき述べてみる。
(1)距離的・心情的な身近さを感じさせる
地域社会は児童が生活をしている場所である。日常の生活を営んでいる場が、学習の場となるわけであるから、地域教材を取り上げることで、児童は日々の生活とのかかわりを感じながら学習することができる。また、取り扱う地域教材に関しての様々な情報が得やすく、活用の仕方をいろいろと工夫できるため、主体的な学習が展開できる。例えば、「安全で楽しい登下校」と題し、普...