<はじめに>
私は今回、シュタイナー学校の教育実践を取り上げたいと思う。シュタイナー学校とはシュタイナーという人物が創設したドイツにある学校である。この学校は12年生の一貫教育で、6年・3年・3年と教育の場を変える日本の教育制度とは全く異なる。担任は持ち上がり制で、8年生までは同じ担任で、クラス替えも全くない。教科書は使用せず、「エポック」と呼ばれる、一教科を数週間続けて勉強する授業がある。この授業は朝の最初の2時間くらいを使って行われ、その中で生徒らは「エポックノート」というものを作っていく。それが、結果的に手作りの教科書となる。シュタイナー学校では1年生から英語を習い、5年生か6年生くらいから第二外国語を習う。またテストが存在せず、生徒に点数をつけて評価するという制度がない。
シュタイナー学校の教育理念は「教育とは学問ではなく芸術だ」である。鉛筆やペンを用いるのではなく、クレヨンを使用する。文字の勉強をするときは絵から入る。発音し、絵を描き、文字にすることで、人間が文字を必要として、文字を作りだした、その流れを子供達に体験させているのだ。また、国語や算数の授業中に楽器を用いたり、歌...