原始美術先史時代から原史時代、飛鳥時代に至る以前の美術を対象としてものである。
原始美術は、石、木、骨、角牙などの原材料による工芸、粘土による彫塑の技術、金属やガラスの高度の技術、絵画や文様など様々なものがある。
日本の原始美術は、日本の風土を背景として影響を受けてきた。縄文時代には、狩猟と漁撈とを中心にする生産の段階で、そこには不安定な性格もあった。そのため、原始美術には呪的な要素が含まれている。中期以降には装身具の類が特に発達した。硬玉あるいは類似する玉質の岩石でつくられた勾玉状のものや、硬玉大珠や玦状耳飾りの類があった。
石器でも機能に応じたもの以外にも、礫石に彫刻し、呪的信仰...