「美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。」
「なぜ美術嫌いになるのか」
幼児や低学年の児童のほとんどが絵を描くことを好きと答える。しかし、学年が進むにつれて図工・美術が嫌いと答える子どもが増え、成人に同じ質問をすると「好き」と答えるのは少数派になってしまう。
なぜ、大人になると美術が嫌いになるのか。実は私自身、図工も美術も嫌いではなかったが、高校に入るころには「自分には無理」と思い、選択からはずしてしまった経験がある。その理由は、「幼い頃は自分が好きなように描くだけで楽しく満足していたが、成長するに従い、巧く描こうとするものの技術がともなわず、他人の評価を気にしたり、自分で手本や他の作品と比べたりして、少しずつ苦手意識を覚えるようになった」と考える。また、同じように描いているはずなのに、先生や学年が変わると評価が変わるというのも、子ども心に不満だった記憶がある。
つまり、技術面への不満や評価への不信が美術嫌いを育ててしまう可能性があると考えられる。美術は、数学や理科...