福祉士国家試験対策学習方法

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    資料紹介

    社会福祉士、精神保健福祉士の国家試験に合格した際、取り入れていた学習方法に関してまとめたものです。当時を思い出しながらまとめたものですので、文章の作り方など見づらい点もあるかと思います。予めご了承ください。

    資料の原本内容

    社会福祉士&精神保健福祉士 国家試験対策学習方法
     4福祉士(社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士)の中で、最も合格率の低い社会福祉士と、最も高い合格率である精神保健福祉士の国家試験を合格するために、とても有効だった学習方法を皆さんに知って欲しい、実践して欲しいと思いましたので、レポートとして掲載することとしました。

     もちろん、この学習方法が必ずしもすべての人に対して有効とは言えません。まず一番は社会福祉士等の養成校のカリキュラムの全てを受講し、その養成校の試験対策などをまずは参考にすることが良いと思います。しかしながら、私自身はこの学習方法によって、社会福祉士と精神保健福祉士の両方の国家試験を1回で合格することができたのも事実です。ですので、これから勉強しようとしている方々のひとつのきっかけ、手助けになればと思っています。
    社会福祉士国家試験対策学習方法に用意するもの。

    過去五年間程度の国家試験問題集

    模擬問題集

    社会福祉辞典

    国民の福祉の動向

    養成校で購入した教科書

    模擬試験を2回~3回程度受験し、その問題と解説書

    筆記用具

    インターネットに接続されているパソコン
    過去問題集、模擬問題集を解く。

     過去問題集や模擬問題集は試験勉強時に必ず解きます。解かずに国家試験を受験し、合格する人はごくわずかな方であると信じて?います。ですが、ただ単純に問題集を解いても、あまり意味がありません。解き方、回答の調べ方などを少し工夫するだけでぐっと理解度が深まります。以下の国家試験問題を例に解き方を解説します。
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    問 題

     福祉政策の研究者とその言説に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

     ローズ(Rose,R.)は、「準市場」という概念を打ち出し、公共的な政策領域にいろいろな市場的競争的要素を取り込み、国民にとって効率的で質の高いサービスが提供されることが望ましいと主張した。

     ジョンソン(Johnson,N.)は、福祉の混合経済という枠組みの中で、ニューパブリックマネジメント(NPM)や分権化、参加について、各国を取り上げながら論じた。

     ルグラン(Le Grand.J.)は、福祉ミックス論の前提となる考え方として、社会における福祉の総量(TWS)は、H(家族福祉)とM(市場福祉)とS(国家福祉)の総量である(TWS=H+M+S)と問題提起した。

     ウィレンスキー(Wilensky,H.)は、オーストラリア福祉国家の歩みを分析し、法定賃金規制制度によって、ナショナルミニマムを保障しようとする「賃金稼得者の福祉国家」という特徴づけを行った。

     エスピンーアンデルセン(Esping-Andersen,G.)は、国内総生産(GDP)に占める社会保障支出の割合が経済成長、高齢化、制度の経過年数という3つの要因に規定されていることを明らかにした。

    第23回(平成22年度)社会福祉士国家試験 試験問題

    「現代社会と福祉 問題23」より抜粋

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     私自身も当初、上記のような過去問題を解く場合、人名や内容を知らなければ“勘”に頼って解き、解答を確認して「合っていた」「間違っていた」を把握し、次に解く際も同じように勘や、それまでに培った知識などを駆使して解いていました。勿論、1回目より2回目、3回目の方が問題の内容を把握していたり、答えを知っていたりするので、正答を選択する確率も自ずと上がります。しかしながら、この場合の正答率は全く同じ問題に対してのみ有効なものであって、同じような問題でも人名やその内容が異なっていれば、その正答率はあてになりませんし、解答してきた知識なども有効に活用されているとは言えません。

     そこで、とある社会福祉士養成講座の教授から、、、

    「自分で答えを見つけるように勉強すれば、その周辺状況も理解することが出来るよ」

    というヒントを頂きました。

     これは模擬試験問題や過去の国家試験問題などをただ単純に解くのではなく、問題文を読み、その問題文自体が本当にあっているのか?を自分で調べることにあります。前ページの問題を例として、実際にどのように調べていくかを以下に解説していきます。
     手元に全く参考資料がないとした場合、前ページの選択肢1に記載されているローズ(Rose,R.)を調べるためにはインターネットでローズ(Rose,R.)を調べることとします。
     まず、大手検索サイトであるグーグル(http://www.google.co.jp/)で「ローズ」と入力し、検索すると、左図のように「ローズ」違いでさまざまな「ローズさん」が検索結果として表示されます。
     これでは目的にあった「ローズ」にたどり着くまでに相当な時間がかかってしまうので、絞り込んだ検索を行います。

     ちなみに「ローズ 福祉」や「ローズ 準市場」と入力して検索しても、一向にそれらしき検索結果は得られませんでした。
    図1.ローズをグーグルで検索した結果
     ここで「ローズ」は「準市場」とは関係ないのでは?と思うことが重要です。
    問題文に着目すると「正しいものを一つ選びなさい。」とあることから、正答を捜す方が確率が低いことになります。ですので、もしかしたら「ローズ」は「準市場」と全く関係ないかもしれない。という疑惑?が湧いてきます。
     そこで、ローズではなく「準市場」という言葉に注目してみます。早速、グーグルで「準市場」と入力し、検索すると左図のような結果を得ることが出来ました。
    図2.準市場をグーグルで検索した結果
     検索結果の2番目に「福祉国家における社会市場と準市場」という、それらしいPDFファイルを検索することができました。(ただし、検索結果はその時々によって順序が異なりますので、予めご了承ください)早速、このファイルをクリックしてみます。そうすると日本女子大学講師である圷洋一氏が書かれた「福祉国家における社会市場と準市場」という論文を確認することができます。この論文を読んでいくと「Ⅰ 福祉国家の市場化と社会防衛」の中に「ルグランによれば、準市場は顧客をめぐって独立の提供者が「競争」を繰り広げるという意味では「市場のようなもの」であるが、ある重大な点で「通常の市場とは異なっている」とされる」との記述を確認することが出来る。このことから、「準市場」について述べているのは「ローズ」ではなく「ルグラン」である可能性が高くなってきました。
     社会福祉士養成校などで自身が科目を受講している場合、その教科書を有効に活用する手段もあります。その手段の一つが巻末の索引を調べることです。

     幸いにも私の手元には中央法規出版が発行している「新・社会福祉士養成講座4 現代社会と福祉」第2版(2010年2月1日発行)があるので、その巻末の索引を調べてみましたが「ローズ」や「準市場」は索引には掲載されていません。そこで、例として挙げた問題内の設問にある人名やキーワードがどれぐらい教科書の索引に含まれているかを確認しました。

    ローズ(人名) → 掲載されていない

    準市場 → 掲載されていない

    ジョンソン(人名) → 掲載されていない

    ニューパブリックマネジメント → 掲載されている

    ルグラン → 掲載されていない

    福祉ミックス論 → 掲載されている

    ウィレンスキー → 掲載されていない

    法定賃金規制制度 → 掲載されていない

    エスピンーアンデルセン → 掲載されている

     以上をみても、意外と掲載されていない人名、キーワードの方が多いことが分かります。ちなみにニューパブリックマネジメントが記載されている部分を見てみると、以下の内容が書かれています。
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    NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)の導入

     わが国の行政は、「プラン偏重主義」と指摘されるように、予算の獲得などに重点がおかれ、その政策の効果や社会経済活動の変化に基づいた見直しは、近年までほとんど行われてこなかった。

    ・・・中略・・・

     こうした新しい行政管理論は、NPM(New Public Management:ニュー・パブリック・マネジメント)と呼ばれ、1980年代後半以降、イギリスやニュージーランドなどのアングロサクソン系諸国で導入されて、現在ではOECD諸国に導入が拡大されている。

    ・・・中略・・・

     NPMの実際は、導入された国によって違いがあるが、その共通点としては、市場メカニズムを可能な限り活用することと、行政現場の裁量を広げる代わりに成果の達成を厳しく評価することである。

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    以上をみても分かる通り、例え索引で人名やキーワードがあったとしても、その示されたページに問題の答えが書いてあるとは限りま...

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