通信教育部のレポートです。参考にしてください。
(1)環境をどのように認知するかという認知の仕方(認知構造)には、その人なりに特徴や構造があり、認知構造によって学習が成立すると考えるのが認知主義の学習理論である。学習とは、環境を正しく認知して、場面についての認知構造が変化すること、または洞察が生じることである。つまり、認知による再構造化に学習の成立する根拠を求めることである。ピアジェやブルーナーは、人間の認知の役割を強調し、認知する主体としての人間と環境との相互作用を、学習や発達を研究するときの理論的枠組みとしている。環境と相対したとき、人間は各自の有する既存の認知構造を環境にあてはめ、応用しようとする働きが生ずる。学習済みの解法を新しい課題に応用してみる類いである。ピアジェは、こうした機能を「同化」と呼ぶ。新しい場面を同化することによって、認知構造は内面的に豊かになり、安定性を増すことになる。これに対して、既有の認知構造では、環境への応用がこなしきれず、認知の構造の方が修正されなければならない場合がある。人間の側の認知構造が変化を遂げることになる。この機能は「調整」と呼ばれる。人間と環境との相互作用において、同化と調節の繰り返し...