檀君神話について
檀君神話は朝鮮最古の建国神話であり、1275年~1281年ごろ、高麗時代の一然禅師という禅宗の高僧が書き記した『三国遺事』に現存最古の文献史料としてそのまとまった姿を見ることができる。その内容は概ね以下の通りである。帝釈天の子である桓雄が人間世界を治めるために太伯山の頂上に天下り、天下を統治し、熊女と結婚して檀君を生んだ。その後、檀君は1500年の間、国を統治したというのである。この内容は記紀による日本の建国神話、つまりタカミムスビとアマテラスの命により高千穂峰にニニギノミコトが降臨し日本を統治したという内容と構造的には同じである。日本の場合、この神話は天皇による統治の正当...