私が高学年対象の鑑賞作品に選んだのは、ミケランジェロ作の「ダビデ像」である。鑑賞ということで、絵画などの二次元的作品より立体的な作品の方が児童達にとって直接触れたり、刺激的になるのではないかと思ったからである。私が小学校の頃から教科書にはダビデ像が載っており、非常になじみ深い作品でもある。また私がイタリアに行った際、本場のダビデ像を見たこともあり、一番に頭に浮かんだ作品でもある。日本においては、長野県の美ヶ原高原美術館にレプリカが置かれており、実際に見ることも可能である。また三重県のルーブル彫刻美術館にはミケランジェロの他の作品も展示されている。児童達は一度見たことのあるダビデ像を実際に直接的に見ることで、親しみを感じ、また教科書では分からない細かい部分の表現を見ることで、さらに興味関心が持てるのではないか。そこから当時の文化や歴史、作者の作品の個性、国、地域や時代などによる造形的特徴の相異点や表現手法などから、作品への興味や学習意欲の向上に繋がることを期待する。
まずミケランジェロ自身や作品について見ていくことにする。ミケランジェロはレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンティと...