課題 「商業の概念を規定する理由について」
商業という語は、これまでに、学術的にも、社会通念上においても、多様な意味に用いられ、
研究者によってもさまざまに解釈されてきた。また、今日に至る主な商業学説を通覧してみても、
そこには、必ずしも定説として帰一する商業学説は存在せず、統一的な概念規定を見出すことも
できない。
このような状況に至っているのは、社会科学に一般に共通したことではあるが、経済社会にお
ける商業資本の地位、商業の企業形態、商業に対する政策的対応などが、歴史的あるいは時間の
推移と共に変遷し、さらに商業の規模・内容・様式に対する解釈の広狭に起因していることに他
ならない。従って、...