決算の意義と手順について、体系的に説明しなさい。
決算とは、経営活動を区切り、その期間(会計期間)の損益を計算し、業績や財政状態を明らかにするために、貸借対照表や損益計算書を作成する作業のことをいう。
決算の手続きには、一定の順序があり、大きく分けると「決算予備手続」、「決算本手続」、「決算報告手続」の順序で進められる。
次にそれぞれの手続きについて説明する。
決算予備手続とは決算を行うための準備をする手続きである。そのなかには以下の3つの手続きが必要である。
①試算表の作成:試算表とは、一定時点における元帳のすべての勘定の数値を一表に示した集計表をいい、総勘定元帳に記載された各勘定を一覧表にまとめ、総勘定元帳の記載に間違いや記入漏れがないか確認し、間違いがあった場合は、訂正する。
②棚卸表の作成:棚卸表とは、損益計算を算定するために、期間損益の立場から決算に必要な資産、収益、費用、に関する項目(資本項目については計算的差額であるので棚卸を行わない)について実際に調査確認して一表にしたものをいい、資産や負債について実際の有高を確認し、帳簿上の残高を実際の有高に調整する。
③精算表の作成:期中の取引(日常の取引)...