違憲立法審査権による違憲審査の方法と効力について論ぜよ。参考文献有り
違憲審査権導入の目的は、憲法の最高法規
性の保障にある。96条1項は、「この憲法
は、国の最高法規であって、その条規に反す
る法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部はその効力を有しない」と定め、憲法こそが国法体系における最高規範である旨を強調しているが、これを手続的に担保しようとするのが81条の定める違憲審査権である。違憲審査権は、基本権の手続的保障において核心的意義を有する。このような意味において、基本権の保障もまた違憲審査権の目的であるということができる。
憲法81条によれば、最高裁判所は、国家行為が「憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終身裁判所」である。この文言は、明らかに下級裁判所の前審を許容する趣旨のものと解せられる。また司法裁判所としての性格からも、違憲審査権を最高裁判所にかぎる必然性はない。憲法は、最高裁判所のみならず広く下級裁判所すべてについて、違憲審査権を許容しているものと解される。
ただし、最高裁判所は、あくまで違憲審査についての「終審裁判所」であるので、下級裁判所で違憲問題を終審的に審査・決定することは許されず、必ず最高裁判所の...