ハヴィガーストの発達課題について述べよ。
人間には、各発達段階において健やかに発達していくためにそれぞれの発達段階で達成しなければならない課題がある。これを発達課題という。ハヴィガーストは、各年齢群における発達課題を示し、発達と年齢との結びつきを考えた初期の研究者の一人である。彼は、発達課題を次のように定義している。「個人が学ばなければならないもろもろの課題、すなわち生涯の発達課題は、我々の社会において健全な成長をもたらすものである。発達課題は、個人の生涯に巡りくる色々の時期に生ずるもので、その課題を立派に成就すれば個人は幸福になり、その後の課題も成功するが、失敗すれば個人は不幸になり、社会で認められず、その後の課題の達成も困難になってくる。」そして、彼はさらに次のような例を挙げてこの発達課題の重要性を具体的に説明している。「たとえば、話すことを学ぶという課題で考えてみよう。一歳から二歳までの間に、たいていの子供は人間の言葉に欠くことのできない色々な要素を習得する。彼らは二年目の終りには、まだ学ばなければならない多くのものがあるが、彼らはよき出発をしている。彼らはもう話すことを学んだ...