コーポレート・ガバナンスとは企業統治と訳され、具体的には企業における内部統制の仕組みや不正行為を防止する機能のことである。近年、企業における企業犯罪や不祥事の多発、株主や取引先に代表されるステークホルダー(利害関係者)の存在で、コーポレート・ガバナンスの重要性が叫ばれている。
日本におけるコーポレート・ガバナンスの特徴は取締役会と監査役(会)による二重のチェック体制である。前者の取締役会は業務上の意思決定を行う機関であり、経営執行の監督機関でもある。取締役会を構成する取締役は、最高の意思決定機関である株主総会によって選任する。また、代表取締役は取締役会が選任する。
従来のコーポレート・ガバナンスはメインバンクが重要な地位を占めていた。メインバンクは企業に資金を提供する債権者でもあり、企業の大株主でもある。必然的に企業を監視する役割を担っていた。しかしデッド・ファイナンスからエクイティ・ファイナンスの比重の高まりや、バブル崩壊による不良債権の肥大化により、持ち株の売却を余儀なくされ、コーポレート・ガバナンスにおけるメインバンクの影響は低下傾向にある。また、以前は企業同士の株式の持ち合...