ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。
ペスタロッチーは、子どもには将来発展する素質が備わっていて、この素質が子どもの内から発展するように助成するのが教育と考えた。子どもは生まれながらに未だ動物であるに過ぎないが、また いうならば、「欠陥存在」(どんな自然環境のなかでもそのまま生存不可能であるという意味)である、人間は自己の生を維持し、発展させるためにその生物体としての欠陥を埋め合わせるべく自然に手を加え、耕して文化をつくりあ、それを子孫に継承してきたのである。ロックのタブラ・ラサ説とは違い全くの白紙というのではなく、真への認識、善の力など全て子供が内包しているのだと説いているように、直観のABCで用いられる数、形、語は「客観的対照に備わった属性ではなくて、直観の主題、すなわち人間の主観に備わった文化を譲り受ける前にすでに持って生まれている要素、客観的対象を受け容れるための形式であるようにも考えられる。」別の論評では直観のもとを「人間に備わった根源的能力の最初の最も単純な結果、すなわち人間の先天的、主観的な精神能力であり、客観的な現象をその中にあてはめる主観的な...