資料:3件
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企業のコンプライアンス
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現在、企業の法令遵守が大きく問われる。いったん社会的ルールを破ったことが明るみに出ると、信頼回復は非常に難しい。近年国内外において企業の不祥事が相次いで発覚している。企業不祥事の怖いところは、その対処の仕方を誤ると、最悪、企業破綻につながりかねない点である。その背景として二つの原因が考えられる。
一つ目は株価問題である。不祥事で株価が暴落し、株価不安から経営負担へとつながり、市場の信用を失い締め出される企業の例は少なくない。株価大暴落はその企業に投資している投資家に大きな損失を及ぼす。以下は最近不祥事を起こした企業の株価の動向を示したものである。
まずは2000年6月に起きた雪印乳業による集団食中毒事件である。会社の存続すら危ぶまれるところまで追い詰められた雪印乳業は結局それを過去の教訓として活かすことができずにグループ企業である雪印食品の不祥事をも招く結果となった。最終的には雪印乳業は解散し、乳業の株価も暴落し、再建策も窮地に追い込まれている。
雪印乳業の株価変遷
次は西部鉄道の株価の動きである。同社は有価証券報告書に大株主の持ち株比率を過小表記し、同事実の発表前に保有株を売却した筆頭株主のコクドとともに証券取引法が禁止する有価証券報告書の虚偽記載とインサイダー取引に関与した疑いがある。株価は連続でストップ安を更新し、21年ぶりの安値となった。
西武鉄道株の動き
二つ目の背景としては日本経済が成熟化したことである。一つの製品、サービスにさまざまな企業が参入し、お互いしのぎを削る厳しい競争を繰り返している。そのような中では一企業の力は相対的に後退する。なぜなら、ある企業が不祥事を起こすと、消費者はすぐに他の企業の同じような製品・サービスに簡単に乗り換えることができるからだ。
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企業とコンプライアンス
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―企業とコンプライアンス―
企業をめぐる社会的、経済的環境は、いま大きく変わりつつある。近年、独占禁止法、消費者保護基本法、金融商品販売法、男女雇用機会均等法など、企業を規制し、企業が遵守すべき法律の規制や改正がすすめられてきた。また、株式会社の資本規模が巨大化し、その経営が複雑になればなるほど、経営を担荷する取締役の権限が拡大強化されてゆく。
最近、コンプライアンスという用語が盛んに使われるようになった。それは、近年国内外のさまざまな業界で相次ぐ一連の企業不祥事は、一度失った消費者の信用を回復することの困難さを改めて証明したと言える。何年もかけて培った強力なブランド力も、たった一度の不祥事により、その力を失ってしまう状況を我々は目の当たりにしている。法的なリスクは、刑罰法規や民事法規違反といった単なる法的な制裁にとどまらず、社会的に厳しい指弾の対象になる、あるいは消費者の信用を失うという企業の存続をも左右する大きなリスクに発展する可能性があることを、企業は十分に認識しておく必要があるだろう。
元来、コンプライアンスという用語は、法令遵守義務という限られた意味であったものが、不祥事の多くが法令という枠組みを超えて、人間としてなすべき倫理問題を意識しない行為に基づくものが目立つようになったことから、広い範囲の意味で使用されるようになった。 最近の事例から明らかなように、企業不祥事の発覚によって、企業は信用を失墜し、破綻に至る事例が生ずるようになると、企業のリスク管理の観点から、コンプライアンス問題が取り上げられるようになった。そこでのコンプライアンスの意味は、単に法令遵守という限定された狭い内容を超えて、企業が社会の一員として活動をしていくうえで守るべき行動規範である企業倫理や、企業倫理を守るために経営陣や従業員の行動を律する企業内部で決められた社内ルールなどに対しても、遵守が求められている。
よく取締役は経営のプロフェッショナルであるといわれ言われている。取締役は企業経営の専門家として経営にあったて、つねに法の遵守を念頭に置かなければならない。企業が利益を追求するということは、会社の営利法人としての資質上いうこともないことであって、会社経営にあたり、まずこれが重視されなければならないことは当然である。しかし、企業における利益追求も法に則った範囲内でのものでなければならず、ここに取締役は、つね日頃、法に則った経営をしなければならないゆえんがある。このことは、これまで、利益優先の企業体質のなかで、ともすれば軽視されがちであった。
企業経営者として日々の業務において、適法経営を実現するためにはまず、日々の企業経営における経営判断に法的なものの考え方を取り入れることが必要である。取締役は商法上日常の業務における業務執行はもちろん、また注意義務をつくして誠実に業務を行うことが要請されているのである。違法行為は断じて回避せねばならない。まず、違法行為を絶対におこなわないことが取締役として株主代表訴訟を免れる絶対条件である。
では、企業としてどのようにしたらよいか以下にしめす。
以下『執行役員制度―導入のための理論と実務』 東洋経済新聞社 浜辺陽一郎著
『株主代表訴訟と取締役心得』 商事法務研究会編 参照
取締役会を改革し、その活性化をはかる
日本の取締役が有効に機能していないということは、国内外の一般的見方となっている。取締役会が、商法上経営の意思決定機関であると同時に経営の監視・監査機関でもあるにもかかわらず、現実には取締役
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