憲法論文答案練習 裁判所
~立法不作為と違憲審査~
【問題】
立法不作為は、違憲と評価されうるのか、また、違憲と評価されるとして、その要件はいかなるものか。
【考え方】
・・・ そもそも、立法不作為とは、国会がなすべき立法をしないこと(立法が不備なため憲法の要求を満たしていない)をいう。
立法不作為については、「実体法上の問題」と「訴訟法上の問題」がある。「実体法上の問題」については、①立法不作為は違憲と評価されるのか、②違憲と評価されるとして、違憲とされる具体的な要件が問題となる。
→ これらの点については、まず、憲法上、立法者に立法義務が課されている場合に、立法者が当該立法義務を果たさなければ、それが違憲となるのは当然であるとして、立法不作為も実体法上違憲と評価されうることについては争いがない。
具体的要件については、
1)国会が唯一の立法機関(憲41条)である以上、立法については、原則として、国会の裁量に任せられるが、憲法の明文または解釈上、一定の立法をなすべき義務を負う場合には、裁量権にも限界があり、国会が立法義務を果たさない場合には、違憲であると言わざるを得...