資料:2件
-
刑法各論 不法原因給付と詐欺罪・横領罪
-
設例
Aは、Bから公務員Xを買収することを依頼され、Xに手渡す賄賂として100万円を預かった。Aは、何とかXに話をつけようとしたが、悪辣なBに手を貸すことに嫌気がさして、預かっていた100万円を趣味の骨董品を買うための資金の一部にしてしまった。その後、Bは、借金の返済に窮することになり、強欲なYを騙して現金を手にしようと考え、Yに対して、「大麻を仕入れて売りさばく計画をしているが、一口のらないか。必ず出資金の3倍を配当として戻す。」と言って、Yから出資金50万円を受け取った。Bは、手にした50万円を自己の返済に充てた。A及びBの罪責について論ぜよ。
1 本問においては、ABいずれも不法原因給付(民法708条)がからむ罪責を犯している。すなわち、Aは不法原因給付物を横領しており、Bは詐欺によって不法原因給付物を受けている。そこで、前者では、不法原因給付に当たる以上、もはや給付者の物といえず「他人の物」にあたらないのではないか、後者では、不法原因給付に当たる以上、給付者に刑罰をもって保護すべき法益がないのではないかが問題とされる。以下これについて検討した後、ABの罪責を検討する。
2 この点につき、刑法民法を含めた全法秩序は統一的に解釈されるべきであるとの立場がある。これによると、民法上、不法原因給付者に受領者に対する返還請求権が認められないので、その反射的効果として所有権が受領者に移るとされている。とすると、刑法上も不法原因給付物は受領者にとって「他人の物」ではなく、給付者によるその所持は保護すべき法益でもなかったことになる。したがって、それを横領しても、詐欺によって受領したとしても、犯罪として成立しないという帰結になる。
たしかに、基本的に法秩序内部に矛盾があってはならず、財産関係に関する民法上の判断と財産犯の議論も統一的に理解されるべきである。
-
レポート
法学
刑法
各論
不法原因給付
詐欺罪
横領罪
- 550 販売中 2005/11/25
- 閲覧(7,141)
-
新しくなった
ハッピーキャンパスの特徴
- 写真のアップロード
- ハッピーキャンパスに写真の
アップロード機能ができます。
アップロード可能なファイルは:doc .ppt .xls .pdf .txt
.gif .jpg .png .zip
- 一括アップロード
- 一度にたくさんの資料のアップロードが可能です。 資料1件につき100MBまで、資料件数に制限はありません。
- 管理ツールで資料管理
- 資料の中から管理したい資料を数件選択し、タグの追加などの作業が可能です。
- 資料の情報を統計で確認
- 統計では販売収入、閲覧、ダウンロード、コメント、アップロードの日別の推移、アクセス元内訳などの確認ができます。
- 資料を更新する
- 一度アップロードした資料の内容を変更したり、書き加えたりしたい場合は、現在アップロードしてある資料に上書き保存をする形で更新することができます。
- 更新前の資料とは?
- 一度アップロードした資料を変更・更新した場合更新前の資料を確認することができます。
- 履歴を確認とは?
- 資料のアップロード、タイトル・公開設定・資料内容説明の変更、タグの追加などを期間指定で確認することができます。