刑法答案練習 住居侵入罪
~居住者が複数の場合に一部の者の同意を得た立ち入り~
【問題】
Xは、Aの妻Bと親しくなり、Aの不在中に姦通目的でA宅に赴き、Bの同意を得てA宅に立ち入って情交を結んだ。
【問題点】
・・・居住者が複数の場合において、一部の者の同意を得た立ち入りは住居侵入罪を構成するか。
【見解】
(参考として)住居侵入罪の保護法益
① 旧住居権説
…家長の有する住居権という法的権利であるとの見解
② 平穏説
…事実上の住居の平穏であるとの見解
→この見解によると、「侵入」の意義は、「住居の平穏を害する態様の立ち入り」となる(平穏侵害説)。
③ 新住居権説
…住居に誰を立ち入らせ、誰の滞在を許すのかを決める自由であるとの見解
→この見解によると、「侵入」の意義は、「居住者・管理者等(住居権者)の意思に反する立ち入り」となる(意思侵害説)。
○ 居住者が複数の場合において、一部の者の同意を得た立ち入り
・・・平穏説、新居住権説どちらにも消極説・積極説がある。
【答案例1】(新住居権説で消極説をベースに作成)
1 Xは姦通目的でAの妻Bの同意を得てA宅に立ち入って...