刑法各論 論文練習
Ⅰ 窃盗犯人でない者が事後強盗罪へ共同加担した場合
問題
Aから財布を盗んだBは、Aに気付かれ追いかけられたが、そこに来合わせた友人のXに協力を求め、BとXは財布の返還を防ぐ目的で共同してAに暴行を加えた。Xの罪責はどのようになるか。
問題点
窃盗犯人であるBについては、事後強盗罪(刑238条)が成立する。問題となるのは、窃盗犯人ではないXが、事後強盗罪に加担した場合、どのように処理するかである。
考え方
1)身分犯説
事後強盗罪は、窃盗犯人を主体とする身分犯とする見解。
・・・「身分と共犯」の問題に ⇒ 刑法65条 = 真正身分犯or
不真正身分犯
2)結合犯説
事後強盗罪は、窃盗行為と暴行・脅迫とが結びついた一種の結合犯とする見解。
・・・「承継的共同正犯」の問題に ⇒ 全面否定説or
全面肯定説or
限定的肯定説
解答案(1の見解をベースに作成)
1 窃盗犯人Bは、被害者Aによる返還を防ぐ目的でAに暴行を加えているので、Bには事...