地方分権改革
1990年に入り、地方分権改革が大きな政治課題となった。地方分権改革は、国と地方自治体とが分担する役割を明確にし、地方自治体の自主性・自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指すこと、そして改めて国と地方の関係を対等にし、対等な協力関係を構築していくことを基本理念としている。
理念を持つに至ったその背景として、社会経済環境の変化がある。背景の1つは、中央集権型行政システムの制度疲労である。戦後、資源や人、情報を重点的に中央へ集めることにより急激な経済成長を遂げた日本だが、その逆効果で地方は活力を奪われた。そして半世紀の間に環境は変化し、中央集権型行政システムはその...