経営管理者向けに、100年に1度と言われる「構造変化時代を乗り切るマネジメント」の枠組みと論理を提示します
1、ビジョン主導の経営
2、環境変化の洞察
3、目標創造のためのドメイン設定
4、経営目標の創造
5、経営目標実現のための戦略創出
ネクストマネジメント研究所
代表 櫻井延彦
1 ビジョン主導型の経営
◆ビジョンが変化を起こす
今、日本の産業界、企業は構造変化の時代の中で経営転換のための苦境に直面している。多くの企業は、次の時代の経営の方向を見失っているように見える。こうした先が見えない構造変化の時代ほど、企業は、次代へ向けての未来像を指し示すことが必要である。企業も創業の時代には、創業者をはじめ社員全員が理想に燃え、企業の将来像や夢、ロマンを描くことが多い。そして、そのビジョンの実現に向けて創業者も社員もエネルギーを傾注して、必死になって行動する。創業時には、経営資源としてのものや金に恵まれていることは少ない。
しかし、企業を構成する人々が夢の実現に向けて力を結集していると、創造的風土が形成されて、そこに戦略意思が生まれ新しい技術や製品が創出される。創業時の企業には、ビジョン実現に向けて活力があふれ、勢いが見られる。しかし、創業時から30~50年も経つと、経営者も世代交替となり創業時の理想やビジョンをだんだんと失って行き、経営スタイルも既存の事業を維持するための保守的経営に陥りやすい。こうして、企業は徐々に活...