89回問133
利尿薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ヒドロクロロチアジドは、近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害し、Na+及びK+の再吸収を促進する。
スピロノラクトンは、集合管におけるアルドステロンのNa+再吸収促進作用を抑制する。
D-マンニトールは、尿細管の管腔内浸透圧を上昇させ、Na+再吸収に影響することなく水の再吸収量を減少させる。
トリアムテレンは、遠位尿細管から集合管にかけて作用し、K+保持性利尿作用を発揮する。
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d) 6(c,d)
解答 5
× ヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管でNa+、Cl−の再吸収を抑制し利尿効果を発現する。また、近位尿細管に作用して炭酸脱水酵素を阻害し、利尿効果を発現するのはアセタゾラミドである。
○
× D-マンニトールは、腎糸球体でろ過されるが、尿細管でほとんど再吸収されないので、管腔内浸透圧を上昇させる。その結果、Na+や水の再吸収量が減少し、利尿作用を示す。
○ トリアムテレンは、遠位尿細管から集合管の管腔側にあるナトリウムチャネルを抑制し、Na+再吸収の阻害され尿細管内の強い負電位が減弱する。その結果、負電位依存性のK+やH+の分泌が減少するため、K+保持性利尿作用を発揮する。また、この作用は、アルドステロンと無関係である。