93回薬剤師国家試験問123

閲覧数3,367
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 全体公開

    資料の原本内容

    93回問123
    自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
    ナファゾリンは、アドレナリンα1受容体に作用し、鼻粘膜細動脈の血流を減少させる。
    エフェドリンは、アドレナリンβ受容体刺激作用とともに、交感神経節後線維終末からのカテコールアミン遊離作用も示す。
    トロピカミドは、ムスカリン性アセチルコリン受容体に作用し、眼圧を低下させる。
    カルバコールは、ニコチン様作用を示し、コリンエステラーゼにより分解される。
      1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
      4(b,c) 5(b,d) 6(c,d)
     
    解答 1
    ○ ナファゾリンは、アドレナリンα1受容体に選択的に作用し、鼻粘膜細動脈の血流を減少させることで、上気道の諸疾患の充血、うっ血を改善する。なお、ナファゾリンは、血管収縮作用を有するが、昇圧薬としては用いられず、結膜・鼻粘膜充血の除去に点眼、点鼻される。
    ○ エフェドリンは、交感神経節後繊維終末に作用してノルアドレナリンを遊離させることによりα1およびα2受容体興奮作用を示す。α1およびα2受容体には直接作用しないがβ1およびβ2に直接作用して、心機能亢進作用や血管拡張、気管支平滑筋拡張作用を示す。なお、α1作用に基づく血管収縮作用や血圧上昇作用はタキフィラキシーを起こして減弱するが、受容体への直接作用であるβ作用にはタキフィラキシーは起こらない。
    × トロピカミドは、ムスカリン性アセチルコリン受容体に作用し、眼圧を上昇させる。なお、トロピカミドは抗コリン薬であり、作用時間(20分)が短いため、診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺に適応があり、緑内障及び狭隅角や前房が浅い等の眼圧上昇の素因のある患者には禁忌(急性閉鎖隅角緑内障の発作を起こす可能性がある)となっている。
    × カルバコールは、ニコチン様作用を示し、コリンエステラーゼにより分解されない。

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。