93回問20
コロイド溶液に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
多量の電解質の添加により、親水コロイド粒子が凝析する現象を塩析という。
チンダル現象は、コロイド溶液では観測されるが、低分子物質溶液では観測されない。
疎水コロイドは、その表面が親水性で水和層が形成されて安定化している。
エマルション(乳濁液)では、液体の分散媒中に固体物質が微細な粒子として分散している。
1(a,b) 2(a,c) 3(a,d)
4(b,c) 5(b,d) 6(c,d)
解答 1
○ 親水コロイドに多量の電解質の添加を加えると、親水コロイドが有する電気二重層と水和層が破壊されるため、親水コロイド粒子が凝析する。この現象を塩析という。
○ チンダル現象とは、コロイド粒子に強い光を当てるとコロイド粒子が光点となり、輝き濁って見える現象である。このチンダル現象はコロイド特有の現象であり、低分子溶液では観測されない。
× 疎水コロイドは、その表面が疎水性で水和層がほとんど形成されないため、安定性は低い。一方、親水コロイドは、その表面が親水性で水和層が形成されており安定化している。
× エマルション(乳濁液)では、液体の分散媒中に液体物質が微細な粒子として分散している。なお、液体の分散媒中に固体物質が微細な粒子として分散しているものを、サスペンション(懸濁剤)と呼ぶ。