『日本国憲法における自由権について網羅的に論じよ。特に精神的自由については裁判例を引用して論じること。』
自由権とは、他人の権利や自由を侵害しない限り、人が何をしても国家権力によって禁止または制限されないという、憲法によって保障されている権利である。
その保障の対象により、「精神的自由権」、「身体的自由権」、「経済的自由権」に分類される。
1)精神的自由権
基本的人権の自由権の一つで、人間の精神的自由にかかわる権利である。個人の尊厳と民主主義存立の根幹的な権利であるため、原理原則にその制限は許されない。仮に合理的理由で制限される場合でも、合憲性の判断は厳格になされなければならない。日本国憲法の中の思想
・良心の自由(第19条)、信教の自由(第20条)、集会・結社の自由・表現の自由(第21条)、学問の自由(第23条)などがこれにあたる。特に憲法上、個人の精神活動として保障される自由権である。
判例として、サンケイ新聞意見広告事件を挙げる。
新聞の記事に取り上げられた者が、その記事の掲載によ
って名誉毀損の不法行為が成立するかどうかとは無関係に、自己が記事に取り上げられたというだけの理...