マーケティング論では、事業組織あるいは個人を取り巻く外部環境を管理不能変数と言っている。そして、この変数は管理可能変数と密接な関係を有している。このコンセプトが、マネジリアルマーケティングであり、それはミクロマーケティングとも言い換えられる。ミクロマーケティングは政策というマクロマーケティングに対応する事業経営というミクロの側面に対応するマーケティングである。ここでは、マネジリアルマーケティングの本質とされる管理不能変数と管理可能変数の関連を述べ、新しいビジネスモデルとしてのディスマーケティング、売らないマーケティングについて論ずる。
管理不能変数とは、事業組織あるいは個人を取り巻く外部環境とされているが、厳密には外部環境変化だけでなく、その企業の経営資源が含まれている。経営資源はヒト、モノ、カネと言われている。しかし、一番重要な経営資源はヒトつまり人材である。この人材という経営資源は短期の視点では、管理不能変数なのである。また、マッカーシーの言う管理不能変数には、技術革新の要素が抜けている。現実の事業経営では、技術の改革が重要な変数となっている。技術革新もまた、管理不能なのである。技...