資料:2件
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カント純粋理性批判における先天的総合判断と先験的演繹について
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先天的総合判断。すべての認識は経験からはじまるという点では経験論を支持する。しかし、経験からは普遍的概念をもつものを捉えきることはできない、だとしたら、これらの対象の実在を保証するものは何か、なぜ我々が知覚できないものが実在するといえるのか。ここでカントは「先天的総合判断」というものを考える。ここでは『理性』という観点からこの「先天的総合判断」について考えたいと思う。
まず、カントにおいて『理性』とは何を意味しているのか。カントはこの言葉をその都度特定の様式で使用しているため、「これ」という答えは無いだろう。しかも、理性という言葉は悟性という言葉としばしば同一視されているようにも思われる。カントは純粋理性批判のなかで「しかし、私はここで理性ということで上位の認識能力全体を理解し、このようにして合理的なるものを経験的なものに対置する。」と述べている。一般的には次のようなことが言える。理性や悟性という言葉が表しているのは、思惟する能力であり、概念によって何者かを表象する能力である。理性や悟性は概念の能力であるといえる。では、純粋理性とはなんであろうか。『異質なものが混在していない全ての認識は、純粋と呼ばれる。しかしとりわけ、そもそもいかなる経験も感覚も混入しておらず、従って完全に先天的に可能であるような、そういう認識は、端的に純粋であると名づけられる。したがって、先天的な認識とは、概念による、端的に経験から離れた認識作用を意味する』したがって、純粋理性とは、対象を端的に先天的に認識するための理性であるといえるのではないか。この認識能力とは判断する能力であり、概念に基づく認識とは、判断するという仕方での認識である。では、先天的な認識→判断(先天的な総合判断)はいかにして可能なのか。ここでカントは、多少を直接に認識できるという考えを破棄した。
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