※設題2 白居易の「白氏文集」について、制作意図・内容・影響等を述べること。
まず最初に、白居易は「韓愈」とともに、中唐を代表する文学者である。字でよべば白楽天といい、地方官の家柄で決して豊かなものではなかった。しかし、官職の試験に合格したのち、(左拾遺)という役職がら自己の経験や時代背景を通じて、さまざまな詩を生涯にわたって世に送り出した。例えば、上層の支配階級の人民に対する横暴堕落に対して、政治の欠陥をただし、時の皇帝「憲宗」に建議し、直諫した。それらを詩歌によって人民の窮状をうったえたところに特色がある。その中でも、白居易の文学において、その集大成である「白氏文集」を通して述べていきたい。制作意図について述べたい。白居易は、そもそも幾度となく自己の作品を整理しており、初期には八一五年に一五巻八〇〇首を整理している。その後、八二四年に元稹の手により、『白氏長慶集』という形で、約五十巻あまりが整理された。その後も適宜編纂作業は続き、『白氏文集』の完成を示す「後記」が白居易の死の一年前の八四五年に付され、約七十五巻が完成するに至った。 この点、白居易が仏教の影響を受けていたことを考え...