●課題1(古代社会における信仰の歴史について述べよ。)
まず最初に、日本人は、「古くから農耕民族として作物の豊作を願って祈りをささげる」という文化があった。そこには、自然などあらゆる事物には霊魂が存在しているという考え方が前提としてあり、そうした霊をおそれ敬う慣わしとして祈りをささげるのであった。人々は、「八百万の神」に対してお供えをおこなって敬いさえすればその時期は豊作が約束され、それらを怠った場合には天罰が下ると考えていたのである。このような信仰は「精霊信仰」の一種として考えられていた。古代日本における「精霊信仰」では、(卑弥呼)が有名である。「魏志倭人伝」には、三世紀前半頃の(倭の国の様子)が詳しく記されているが、その中には(卑弥呼)の記述もあり、彼女は「邪馬台国の女王」として君臨し、「鬼道を事とし、よく衆を惑わす」と記録されている。ここで言う鬼道は呪術のことを意味しており、卑弥呼は呪術を行って国を治めていたのであった。また、その点において、この時代においては(祭政一致)が図られていたのである。そして、このような古代の信仰は、やがて神道として成立していくことになる。(古墳時代の...