『「新たな時代を拓く国語科教育を具現化するための方法」を複数あげ、それぞれを展開するにあたって留意しなければならないことがらについて考察を図りなさい。その際、国語科教育の意義,国語科教育の構造及び今日的課題をふまえるとともに、三領域一事項すべてにふれること。』
1.国語科教育の今日的役割
国語科教育は、戦前から戦後にかけて100年以上の間、日本の教育を支えてきた。現代社会にわたりなおその必要性は認知され、国語科内の限定的な学力を目指すものとして、ではなく「社会における能力の礎になる能力」を育成するものとして注目されている。本レポートでは、国語科教育の意義と構造、今日的課題をふまえた上で、「新たな時代を拓く国語科教育を具現化するための方法」についての考えをまとめていく。
(1)国語科教育の意義
現在の国語科教育は、二つの意味合いを含んでおり、その意義は言語生活における「言語能力の育成」に限られたものではなく、その領域から派生する言語文化に関する機能を上達させることにある。言語生活とは「ある状態や場において展開される、個人的及び社会的な主体的言語活動(聞く・話す・読む・書く)の営み」...