資料:4件
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不法行為とエホバの証人輸血拒否事件
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自己決定権とは、憲法上明記されていない権利であるが、憲法13条を根拠として、新しい人権(自律的な個人が人格的に生存するために不可欠と考えられる基本的な権利)のひとつとして保護するに値する法的利益と考えられている。この場合、自己決定権として保護されるのは人格的生存に関わる私的事項といえることである。そして、人権一般の内在的制約として他者の権利や公共の利益との関わりの中で判断される。患者の治療を選択する権利もこの限りで認められるといえる。また、いかに真摯なものであっても単に厭世のために命を放棄するような自殺の選択は許されないと考えられている。これは人権の根本概念ともいえる生命の尊厳に反するので、自己決定の濫用(民法1条3項)となるであろう。
本件の場合、憲法20条でも保護されている宗教の信仰を守るということは、人格的生存に不可欠というべきである。たとえ死を伴うこととなっても、それは死を選択しているのではなく、信仰を貫くことを選択したのであるから、自己決定権として保護される。
また私人間効力の問題にもなるが、私人による人権の侵害は民法709条を適用して保護をはかればよい。
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