資料紹介
8章「Martin Luther King，Jr.」について日本語で要約した上で、あなたの考えを述べよ。
1、8章「Martin Luther King，Jr.」の要約
公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの生涯は、アメリカ黒人のために平和的手段で社会的・政治的・経済的平等を獲得することであった。しかし公民権運動を推し進めるなか、彼は人種差別主義者によって酷く攻撃され、1968年に暗殺された。
彼が中心となって指導した公民権運動は黒人だけでなく、アメリカ中の人種間平等への意識を高めることに成功した。そして、彼は社会変革に貢献したとされ1964年に史上最年少でノーベル平和賞を受賞した。
彼は、ジョージア州アトランタの牧師である祖父と父の家に生まれ、15歳で高校を卒業し、アトランタのモアハウス大学に入学し学士号を取得した。卒業後ボストン大学の大学
院で博士号を取得した。
大学院に在学中、彼は非暴力運動を指導し、イギリス支配からインドを解放したモハマッド・ガンジーを崇拝し、後に公民権運動の「実践テクニック」をガンジーから、「自分の理想」をキリスト教から得たと語っている。
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資料の原本内容
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8章「Martin Luther King，Jr.」について日本語で要約した上で、あなたの考えを述べよ。
1、8章「Martin Luther King，Jr.」の要約
公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの生涯は、アメリカ黒人のために平和的手段で社会的・政治的・経済的平等を獲得することであった。しかし公民権運動を推し進めるなか、彼は人種差別主義者によって酷く攻撃され、1968年に暗殺された。
彼が中心となって指導した公民権運動は黒人だけでなく、アメリカ中の人種間平等への意識を高めることに成功した。そして、彼は社会変革に貢献したとされ1964年に史上最年少でノーベル平和賞を受賞した。
彼は、ジョージア州アトランタの牧師である祖父と父の家に生まれ、15歳で高校を卒業し、アトランタのモアハウス大学に入学し学士号を取得した。卒業後ボストン大学の大学
院で博士号を取得した。
大学院に在学中、彼は非暴力運動を指導し、イギリス支配からインドを解放したモハマッド・ガンジーを崇拝し、後に公民権運動の「実践テクニック」をガンジーから、「自分の理想」をキリスト教から得たと語っている。
このころ、彼はコレッタ・スコットと出会い結婚をした。1955年、卒業後、彼はアラバマ州モンゴメリーのデクスター通りバプテスト教会の牧師に就任した
当時南部では、市営バスは法律による人種分離制度がとられていた。白人専用席が満員の場合、黒人は白人に席を譲るように法律により定められていた。ある日、モンゴメリーで黒人裁縫婦のローザ・パークスが、席を譲ることを断り逮捕された。
彼は、この法律に抗議するために、同市の黒人によるボイコット運動を指揮した。382日間に渡るボイコット運動の間、彼は逮捕されたり、家に爆弾を仕掛けられたり、さまざまな嫌がらせを受けた。が、アメリカ最高裁判所の下した判決『市営バス車内の人種分離の法律は憲法違反である』により、彼らが勝利した。このことで、南部の人種差別問題が国民の関心を集め、彼の知名度をあげた。
彼は、彼を議長とする南部キリスト教指導者会議を結成し、大規模な抗議運動の行進を行った。運動に対する妨害の中で、1963年にアラバマ州バーミンガムの警察本部長ユージン・ブル・コナーから受けたものが特に激しかった。コナーは、自由への大行進を阻止するために、警察に戦闘犬と高圧放水砲の使用を命じた。彼と多くの行進者は投獄された。
その年の8月、彼は、25万人のアフリカ系アメリカ人や白人など様々な人種の人が集まったワシントン平和行進を率い、人種間の不平等に対して抗議した。この時のリンカーン記念堂での演説が、有名な「私には夢がある」である。彼の努力を通して、1964年に国会で公民権法が成立した。
1968年4月4日、黒人の清掃労働者組合に
よるストライキを支援するためにメンフィスを訪れていた彼は、宿泊先のバルコニーで暗殺された。犯人は、白人の人種差別主義者ジェームズ・アーリー・レイであった。
40年代～50年代の長い沈黙の後に、彼の非暴力主義的抵抗手段は、多数の民衆（黒人・女性・反戦活動家・同性愛者など）による行動主義の新しい時代を創始した。
今日、彼の誕生日は国民の祝日として祝われている。彼は、このように栄誉を讃えられる20世紀生まれの唯1人のアメリカ人である。
２、公民権運動の指導者としての貢献
キング牧師が、公民権運動の指導者として立ち上がった1950年代後半から遡ること約100年前の1862年にリンカーン大統領が「奴隷解放宣言」により、アメリカ合衆国の奴隷制度を廃止した。このことで、アフリカ系アメリカ人が、奴隷という縛りから解放された。しかし、奴隷制度は廃止されたが、人種差別は存在し続けたのである。
テキストを読んで、彼がアメリカ中の人種間平等への意識を高めることに成功し、公民権法を成立させたことで人種差別的な法律を見直させたことを知った。彼は、そうした差別を撤廃する運動の要にいた人物だといえる。
現在のアメリカでは、有色人種の人たちや様々な考え方の人たちも、自分の望む仕事につき生活をしている。彼の公民権運動が、アメリカの有色人種の人々に自由という幸せを運んできたのだと考えられる。
３、キング牧師の「非暴力主義」について
彼は「非暴力主義」をなぜ徹底できたのだろうか。ガンジーやキリスト教の影響を受けたことがテキストから読み取れる。が、彼の生い立ちにもその源泉があると考えた。
彼の父親は、「人間はみな平等である」とい
う理念を持ち、貧しい中で努力し生活をしてきた人だった。彼を育てるときにも容赦なく体罰を与え厳しく育てた。しかし、彼の母親は、寛容で優しかったということだ。体罰を与えられて育てば、育てられた子どもは暴力を振るうようになると考えられる。しかし、そうならなかった理由に、母親の寛容さと父親の「人間は皆平等である」という理念と、彼が社会の中で差別を受けたときに、父親がそのことを受け止めてくれていたという事実があったことを知った。人は、温く受け止められて育つことで、温かい思いやりのある人間に育つのだということを改めて感じた。
彼には、暴力を使わずに人は解り合えるという信念があったのだと考えられる。
バーミンガムでの警察長官から受けた攻撃が、ニュースで映し出され、それを見た民衆が、暴力に拒絶反応を示していった。仲間と平和行進をし、「自分たちは、現状に不満である。」「自分たちは一人の人間だ。」と主張を続けることが、人の良心を動かすことを彼は知っていたのではないだろうかと考えた。
４、“I have a dream”に込められたもの
ワシントン大行進の演説の中の文を4つ抜
粋し、以下に和訳し、演説に込められた意味を考え考察していきたい。
(1)『すべての人間は平等である。』これが彼の考えの源泉であると考えられる。
(2)『いつの日か私の幼い４人の子ども達が、彼らの肌の色によって評価されるのではなく彼らの人格の深さによって評価される国に住めるようになることであろう。』この文から、人種や生い立ちではなく、個人の人格が認められる世界を願っていると捉える事が出来る。
(3)『幼い黒人の少年達・少女達が、幼い白人の少年達・少女達と手を繋ぎ、兄弟姉妹として歩けるようになることであろう。』この文には、世界の人々が手を繋ぎ合うことが含まれていると感じた。彼が、ベトナム戦争に反対していたことからも想像できることである。
(4)『かつての奴隷の子孫達とかつての奴隷主の子孫達とが、共に兄弟愛のテーブルに着くことができるようになるだろう。』奴隷と主人という縛りはなく、同じ場で同じ物を食べ暮らしていける。そんな普段の生活に根ざした平等を願っているのが伝わってくる。
彼はこのスピーチを通して、「すべての人間が平等に生活し人間愛を持った社会を実現することが大事である」と私たちに訴えていると考えた。また、差別や戦争のない平和な世界を願っていたと考えられる。
５、終わりに
今年、オバマ氏が大統領選挙で選ばれ、就任した。テレビのニュースを見て、アフリカ系アメリカ人達の喜びが伝わってきた。
制度が変わったらすぐに人々の心が変化したり、すぐに差別が消えたりするということはないと考えられる。実際に日本にも様々な差別がまだある。１人ひとりの人権を尊重し、お互いを尊敬し合える差別のない社会を作っていくことが大切なのだと考える。キング牧師が、生涯を通じて残した人類へのメッセージを大切にし、保育現場で子どもたちにメセージとして伝えていきたいと考えている。
参考文献
(1）Peter Serafin Hiromi Nema
「Twenty American Heroes」三修社2007年発行
(2)Coretta Scott King原書
梶原寿・石井美恵子翻訳
キング牧師の言葉 日本基督教団出版局 1993年発行
(3)辻内鏡人他 キング牧師 岩波新書1993年発行
(4)インターネット
①http：//dreamer1.hp.infoseek.co.jp/dream.html
キング牧師の演説音声
②安藤次男 論説
1964 年公民権法と大統領政治
③http：//www3.ocn.ne.jp/~zip2000/m-l-king-2htm
神と共に歩んだ自由への長い道
モンゴメリーバスボイコット運動
など
アメリカの文化と言語Ⅰ １
