「都市と関わりにおいて、建築がこれからどうあるべきか」
1都市をどう捉えるか
2高密度・効率化―人口の集積は必要か―
3経済は敵か
4都市のモラル
5単体の建築が都市の中で共生していくにはどうしていったらよいか
「都市と関わりにおいて、建築がこれからどうあるべきか」
このレポートではまず「都市」そのものをどう捉えるかということから論じていき、総じて何を手がかりにどうしていくべきかということについて論ずることとしたい。
1都市をどう捉えるか
都市というものは枠が不明瞭なものであるというのが前提で話を進める。ここからここまでが都市で、というものではないということだ。
都市について名著とされるケヴィンリンチの「都市のイメージ」ではどう都市を捉えているか。この中では、徹底して人の視覚からくる心象を類型化しようと試みられている。前提にあるのは分かりやすさないしイメージアビリティとして書かれる部分で「くっきりしたイメージを生み出すような、生き生きとした、完全にまとまりのある物理的背景というのは、また社会的な役目を果たすものである。優れた環境のイメージは、その所有者に情緒の安定という大切な感...