『学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ。』
これまで、日本では、学歴社会はあまりいいイメージを持って語られることはなかった。「受験地獄」や「偏差値輪切り体制」などと言う言葉と共に用いられ、その人間が内面的に持つ「本来の資質」を考慮せずに、うわべの「勉強が出来るかどうか」だけでその人間を評価する理不尽かつ非人間的な社会として語られることが多かった。しかし、学歴社会の本質はそうではない。
学歴社会とは、「社会における社会的・職業的地位などの配分の基準として学歴が重きをしめる社会」を意味する言葉であると考えられる。
学歴社会と良く混同される言葉に、高学歴社会がある。高学歴社会とは、単に「高学歴者の多い社会」を意味する言葉で、具体的には、高校卒業後の高等教育機関への進学率が50%を超える社会であることを意味する。日本はアメリカ合衆国・カナダなどと並び、数少ない高学歴社会の一つである。学歴は配分の基準として考えられるのであり、論理的には「低学歴社会だが学歴社会」という社会もあり得るし、「高学歴社会だが非学歴社会」という社会も...