『「四つの四重奏曲」について、あるテーマを選んで論述せよ。内容にふさわしいタイトルを付すこと。』
「わが終わりにはわが始めあり」
『四つの四重奏』は、その名の通り四重奏曲の構成をもつ四つの詩から出来ている。『灰の水曜日』から5年後の1936年に『バーント・ノートン』が発表され、『イースト・コーカー』(1940)、『ザ・ドライ・サルベージズ』(1941)、『リトル・ギディング』(1942)の3つの詩が『四つの四重奏曲』としてまとめられた。それぞれの題には、イギリスの古い屋敷や村、アメリカのマサチューセッツ州にある岩礁群の名前がついており、エリオットのこれまでの生活や、歴史的な事柄がベースになっている。また、この詩はエリオットの詩の終着点であり最高峰と言われている。エリオットの詩の円熟と劇への関心の高まり、そしてヨーロッパを覆った戦雲がこの作に大きな影響を与えている。幾多の苦悩を乗り越え、信仰に救いを求めてきたエリオットであるからこそ、完成することが出来た作品であると言える。
『四つの四重奏曲』は、各詩が5楽章を持ち、全876行から成るエリオット最大の長編作品である。4つの詩がそれぞれ、...