『英語と日本語の文法構造または語彙構造を比較対照し、両者の違いを論ぜよ。』
【はじめに】
言語とは、音声や文字を媒体にして、人間が意志・思想・感情などを表現したり伝達し合ったりするのに用いられる記号の体系である。つまり、任意の意味をなす最小単位(語)の連続が、一定の規則に従って構成されており、語(単語)の組み合わせ方、すなわち、文法の相違によって言語は体系化されるのである。英語と日本語を比較してみると、その起源(語族)が非常に異なるため共通した事項は多くない。語彙については言うまでもなく、文法についても、名詞・動詞・形容詞などの基本的な品詞から文が構成されていることぐらいであろう。
本稿では、英語と日本語を対照言語学の観点から比較対照し、両者の文法構造の差違を論ずる。
【文法構造の違い】
英語と日本語の文法構造における最大の差違は、語順の違いと言っても過言ではないだろう。日本人が英語に苦手意識を感じるのも多くはこの為だと考えられる。以下にいくつかの例を示して説明する。
(1) We must respect the will of the individual.
我々は個人の意思...