※参考資料にお使いください
先進国の都市と日本の都市を比較し、どのような部分で日本の都市は特色を持っているか見解していく。先進国と比べ、日本の都市の大きな特徴の一つとして、歴史性という部分が挙げられる。これは、現在の都市がある部分において過去の都市の位置と重複して形成されていることであり、専門的な表現では「歴史的重層性」を有するといわれる。地理学では、長年にわたって各都市の背景にある歴史性に着目した歴史的分類が、昔から集落地理学の分野で研究されてきた。そもそも、歴史的な区分というのは、19世紀末のドイツで村落の平面形態を分ける為に使用されてきた。理由としては、村落が交易の中心地となると町が形成され、その場所が政治権力や経済的な特権が与えられる都市に発展するというものであった。これらの都市氏の捉え方は、産業革命前のヨーロッパの都市形態を説明するには充分であった。中国やサウジアラビアをはじめとするアジアの国々では、城郭の内部に町が発展した場合を囲郭都市、町の周りに城壁が取り囲んでいない場合には無囲郭都市と名称された。日本では、1926年に小川琢治が歴史性に着目して、城下町や宿場町、鉱山町や商校町に区分したものが広範囲...