従来の住所または居所を去って長期間が経過し、容易に帰ってくる見込みのないものを不在者という。こうしたものがいてこれをそのまま放置することは、本人の利益のためにも、また推定相続人などの利害関係のためにも、さらには国民経済のためにも好ましいものではない。そこで、民法はまず主として不在者自身のために、その財産の管理に国家が干渉する制度を設けている。さらに、不在者が長期にわたって生死不明である場合に、そのものをめぐる法律関係を整理するために、生死不明の状態が一定期間続くと、利害関係のために、不在者を死亡したことにする失踪宣告を設けている。
制度の意義としてある人が消息不明のまま長期間が経ち、再び現れるかどうか不明の場合、そのものの財産上・身分上の法律関係をそのままにしておくと、その家族やその他の関係者等に非常な不便・不利益を及ぼすことになりかねません。そこで、一定期間以上長期にわたって生死不明の場合には、一定な厳格な手続きでこの者を死亡したことにしてこのものに関する法律関係を清算する制度が失踪宣告である。
不在者の生死不明の状態が一定期間継続しかつ、利害関係から失踪宣告の請求があるときは...