2011年度対応。
『安全に関する学習指導上に占める「体育」の重要性について述べよ。』
第1章:体育における「安全」
体育における安全は「安全管理」と「安全教育」の2つに分けることができる。「安全管理」とは、児童の活動に関与する施設や設備、用具などの環境の点検や整備を行うとともに、これらの使用に関するルールを作成したり、安全に関する指導・管理のための組織を形成したりするなど、事故防止を図るための外面的で直接的な働きかけである。一方、「安全教育」とは、安全に関する知識、理解を深め、安全な行動をとり得るような能力や態度を身につけ、これの慣習化を図ることを目的として内面的で間接的な働きかけである。
事故発生の主な要因が「安全に対する意識の低さ」であることは言うまでもなく、この意識を向上させるための積極的な安全教育の実践はもちろんのことであるが、それとは別に、安全に活動ができるように整備した環境を作り上げる安全管理も重要であることは忘れてはならない。大切なことはその2つのバランスであり、例えば、小学校における安全教育と安全管理のバランスを見ると、低学年では知識・モラル・身体支配能力に乏しいので、安全管理が大きな比...