玉川大学通信教育部レポート
現代では学校に通うことは義務教育制度によって当たり前となっている。それは「公」というものの変化によるものだと筆者は述べている。封建制社会では「一人あるいは少数の支配者によって主権が掌握されていた」(テキスト103項)「公」が、封建制度の崩壊に伴い、社会が世俗化され、教育が世俗化され、人々が社会へ関わる、参加する機会の幅が大きく広がった。
その一環として教育は「公教育」という形で国民全体に行き渡ることとなった。公教育では全ての人々に就学の機会が保障され、全国で統一された均一的、画一的な教育が行われた。これは経済成長のために、一定の学力・知識・技術を持った労働者を作り出したいという社会背景があった。さらに筆者は学校での教育によって個人あるいはその家庭と、社会との価値観の違いを是正する、いわゆる公共心を育てるという目的もあったと述べている。
まずここで国民国家の成立という社会の大きな変化により、3者の関係に変化が見られる。家庭ではしつけや基本的な生活習慣など、学校においては家庭ではできない効率的な教育を受け、学校で学んだことは社会で生かされ、そして社会の一部として機能するとき、「子どもの性格...