玉川大学通信教育部レポート
豊かなイメージや表現を養うためには、様々な環境と関わることを通して、幼児が発達に必要な多様な体験を重ねていくことができるようにしなければならない。多様な体験を大切にするということは、単に幼児に様々な活動を提供するというような体験の量や回数ではなく、体験の質に重きを置くことである。教師は幼児に気付きや感動をもたらし、内面の成長につながるような体験を見定めなければならない。そのためには幼児が心を動かす体験に着目し、それを効果的に体験できる指導計画を作成する。そして幼児は活動に没頭し、その体験の中で学んだことや、そこからわきあがる興味や関心が次の活動を生み出し新たな体験となり、豊かな体験にもつながっていくのである。
このため、教師はまず幼児一人一人の体験を理解しようと努めることが大切である。同じ活動をしていても全員が必ずしも同じ体験をし、同じ感情を抱くことはない。また、幼児の体験を教師が共有することに努めるのも大切である。教師や他の幼児と体験を共有し、共感することも幼児にとって新たな活動を生み出す原動力になっていくからである。さらに幼児の体験を考察し、興味・関心や、学んでいること把握してい...