介護保険制度について
戦後、我が国の平均寿命は著しく伸び、2003年には男78.36歳、女85.33歳にまで伸長し、文字通り世界の最長寿国となっている。日本の将来人口によれば65歳以上人口の割合は今後も上昇し続け、2020年(平成32年)には26%になり、人口のおよそ4人に1人が高齢者となり、2050(平成62年)には35.7%となり、およそ3人に1人が65歳以上という超高齢社会が到来することが予想されている。
なかでも、とくに75歳以上の高齢者の増加により、介護を必要とする寝たきりや認知症の高齢者が急速に増えることが予測される。当時の厚生省の「国民生活基礎調査」によれは、これから要介護高齢者の発生率は加齢に伴い上昇し、65歳から69歳では1.5%程度であるが、年齢層が高くなるにつれて要介護の発生率も上昇し、80歳から84歳では約9.2%、85歳以上では約20.8%が介護を必要とする状態になるものと見込まれている。
このほか、常時介護は必要としないが、日常生活を送る上で何らかの支援が必要な、いわゆる虚弱老人が多数存在し、やはり何らかの介護が必要とされている。高齢化の進展ととも...