アメリカにおける医療制度の現状を説明するとともに、我が国の医療改革について述べよ
まずは日本が抱える医療制度の問題を見ていく。これは主に国民医療費の増加にある。国民医療費とはその年度に、怪我や病気の治療に要した費用が国民全体でどのくらいかを推計したものであるが、この国民医療費が増加し続け医療制度を圧迫しているのである。
なぜ国民医療費は増加するのか。これは75歳以上の高齢者が国民医療費に占める割合が約30%であることからわかるように高齢化が影響している。つまり少子高齢化の影響で、現役世代に比べ病気にかかりやすい高齢者が増加することによって、医療費を押し上げているのである。さらに、医療技術から考えられる理由としてMRIやCTスキャンなどの技術進歩による治療単価の高騰もある。その他の影響として「コンビニ受診」という問題もある。これは風邪などの軽い症状でもすぐに病院に行く国民が増え、医療費を押し上げているのである。これらが日本が抱える医療制度の問題点である。
次にアメリカの公的・民間医療制度を見ていく。アメリカには日本のような国民全体を対象とした公的医療保障制度はない。医療保障は民...