「家庭と地域社会における保育のあり方について述べよ」
人の発達のメカニズム
人の発達は、遺伝といわれる生得的に個人にそなわる要因と、出生後の個人をとりまく環境の要因が関わっている。これらはこれまで双生児比較法によって研究されてきた。つまり、1卵生双生児郡と2卵生双生児郡の双生児間の類以度を比較して、特定の発達的側面への遺伝的の規定度が明らかにしてきたのだ。
また、近年、子供は出生時にすでに無学習性の行動特徴を持っていることが確かめられている。そしてトマスらは、次のような気質の類型を見出している。①扱いやすい子供は生活が規則的でいつも機嫌がよく新しい人や場面に用意に順応する。②扱いにくい子供は生活が不規則でよく泣き新しい人や場面に順応しにくい。③始動の遅い子供は活動水準が低く反応が弱く順応が遅い。
この様に、人の発達は、個人が生まれた時点から持つ「気質」と、生まれてからの家族、仲間、保育士や教員などの「環境」とが相互作用しながら進んでゆく。
現代社会における社会の変化について
1)現代家族を取り巻く社会の変化
わが国では第二次世界大戦後、高度経済成長が発展し、産業構造が大きく変化...