実験の要旨
1-ブタノールを臭化ナトリウム,濃硫酸を加えて還流し求核置換反応を行った。実験の結果,生成物は1HNMRの結果から1-ブタノールであると推定され,収量は6.24g,収率は41%となった。また,この反応はSN2機構で行なわれたと考えられる。
実験の目的
1-ブタノールを求核置換反応による反応を行ない,1-ブロモブタンを合成する。
原理
<SN1反応[SN1 type reaction]>1), 2)
求核反応のうちの1次の置換反応をいう。求核試薬Y-によるハロゲン化アルキルRXへの置換反応のうち,次のように律速段階が単分子反応であるものを指す。
RX R++X- (1)
R++Y- → RY (2)
まず,(1)の脱離反応が律速段階で起こり,カルボカチオン中間体R+が生じる。その後の求核試薬との反応が早い段階で起こり生成物RYが生じる。したがって反応速度はRXの濃度だけに依存し1次反応となる。カルボカチオンの安定性は3°>2°>1°>-CH3であり,第三級アルキルの方がSN1型反応が起こりやすい。
<SN2反応[SN2 type reaction]>1), 2)
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