1目的
電池の温度変化から、この電池における可逆的反応の熱力学的諸数値を求める。
図1-1 今回使用した密度比重計 測定精度は±0.001g/㎝3である。
2原理
ギブズエネルギー
電気化学システムにおいて、仕事として体積変化に加えて、電気仕事d’Weleを含んでいる。
つまり、
となる。電気仕事は電位差とそこを移動した電荷の積で与えられるが、その値は変化の経
路に依存する(外部負荷の抵抗の大きさに依存する)。
第二法則において、Te≧0であるから、
となり、これに式()から求まるd’qを代入して、
が得られる。
また、電池のギブズエネルギー変化をdGとし、定温低圧過程では、
であり、式()と比較すると、
が得られる。電池のギブズエネルギー変化は状態量であるから、初めの状態と終わりの状
態が定まれば、途中の経路の変化によらず一定となる。右辺の電気仕事は経路によって異
なり、不可逆の場合に電池が外部にする電気仕事は必ず電池のギブズエネルギーの減少量
より小さくなる。
ギブズエネルギー変化は定温低圧変化では、dG=dH -...